2007年07月03日

中国の食品は安全か?

中国製練り歯磨き ホテル向け3製品
■相次ぐ有毒物質の検出
 「中国製の練り歯磨きから有毒物質が検出された!」
一連の騒ぎはこの報道が始まりだった。練り歯磨きから有毒物質であるジエチレングリコールが検出され、アメリカ食品医薬品局(FDA)は練り歯磨きを使わず廃棄するよう警告した。
 しかし、これは氷山の一角に過ぎない。
 ・メチルアルコールの入ったニセ酒
 ・フタル酸ジエチルヘキシルや鉛が検出されたおもちゃ
 ・有機化合物メラミンが混入したペットフード
 ・ジエチルグリコールを使った咳止め薬
 ・肝機能障害を引き起こすやせ薬
 ・輸出用の魚の切り身に混入したフグ
 果たして、中国の食品や製品は安全なのか。何がこのような問題を引き起こしているのか。

■急成長におけるエントロピーの増大法則
 中国の経済が急成長を遂げていることは周知の通り。GDPはアメリカ、日本、ドイツに並んで4番目に付けている。このような急成長で果たして歪は出来ないのだろうか。
 「エントロピーの増大法則」と言う熱力学第二法則がある。今回のケースで簡単に説明すれば、中国の急成長により中国のマーケットが広まった。世界が中国の商品を買い、それで中国は成長できたのだ。しかし、成長を秩序とすると全く同時に無秩序も同規模で広まる。有害物質が多く検出されることは、エントロピーの増大法則に従って無秩序化が進んだことを示している。
 日本でもよく新たな技術を利用した混沌は目にする。問題は混沌をしっかり認識してから法やISO、ガイドラインなどを取り決めにかかるという、政府の対応の遅さだ。例えば各企業がこぞって参加している「セカンドライフ」には法が無く、ユーザーのモラルにゆだねられている。恐らくは、何かしらの悪徳商法や犯罪が起こるだろうが、まずは起こるか起こらないか、いいか悪いかを議論しているように見える。政治は性悪説に基づかねばなるまい。
 中国で粗悪な商品が出回ってしまうのは、性悪説に基づいた法の整備が間に合っておらず、各々のモラルにゆだねられてしまっているからだ。

■中国の地域性
 日本と中国では決定的な違いがある。それは国土の広さである。国土が狭い日本では法などの整備効果に即効性があるが、中国ではそれが伝わりきれない。中国の地方では今でも生活するのがやっとと言う貧困層が多く、原価を安くしないと生活できなくなってしまう。そんな地域の人に法律を突きつけても、いかに法をかいくぐるかを模索してしまうのではないだろうか。そしてそれは比較的容易に出来てしまう可能性がある。
 まだ調べていないが、中国にはアメリカのような州法はあるのだろうか。例えば省法があるとして、それは機能しているのだろうか。機能しているのであれば○○省の製品は信頼できるが△△省の製品は粗悪品が多い、と言った格差が出てきてもおかしくないと思う。今のところはそれが漠然と「中国」として報道されている。

■見極めることが必要
 今回の一連の騒ぎを受けて、中国の食品、製品に敏感になっていることと思う。確かに多くの有害物質が出てきた。しかし、中国の食品、製品はどれも危ないと思うことは外交や貿易と言う点で危険はらむ。それよりも、どれが危なくてどれが安全かを適時情報を仕入れて判断することが必要なのではないか。
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posted by こうめい at 00:22| Comment(44) | TrackBack(8) | 食の問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月28日

原油需要減退か?


 OPEC(石油輸出国機構)は2010年までに原油需要が減退する見通しがあると発表した。その背景には先進国を中心に活性化しているバイオエタノールとハイブリッドシステムがある。

■穀物バブルの幕開け
 そもそもバイオエタノールが注目されたきっかけは、トウモロコシやサトウキビなどから精製するため、作物を育成しているときのCo2吸収量と燃料として使用したときのCo2排出量が同量で、原油を燃料として使用するよりも環境にやさしいから、という大雑把な理由からであった。「トウモロコシを作れば高く売れる。」と認識した農業関係者はこぞってトウモロコシなどの穀物に転作し、エタノール精製工場も次々建設。現在は穀物バブルとでも言うべき状況になっている。その結果、自動車の燃料がガソリンからバイオ燃料へと少しづつ移行。OPECはこれを受けて、原油需要が減退するかもしれないと発表したのだ。政府やマスコミはバイオエタノールの効果を過大評価しており、それによって消費者の需要も拡大の一途をたどると見られる。

■バイオエタノールは切り札にはならない
 しかしここへ来てバイオエタノールへの疑問の声が上がっている。バイオエタノールは工場で穀物から燃料に精製する際に多量の原油を使用する。精製時には当然温暖化ガスも排出され、結果総合的に見て温暖化ガスの排出量はガソリンとバイオエタノールはほとんど変わらない、と指摘されている。
 もう一つの弊害が食糧難を誘発する点である。バイオエタノールは穀物を使って精製されるので、本来は食用や家畜飼料としての需要しかなかったところへ、燃料用としての需要が土俵に上がってきたのである。穀物農家は当然取引先を利益の高いほうにするため、食用や家畜飼料用としての穀物の供給は減り続けている。その結果、穀物や畜産物、例えば牛乳、チーズ、ヨーグルト、卵などの価格が上昇、いわば「グレインショック」とも言うべき状況になってきている。
 現在、セルロース(植物繊維)からバイオエタノールを精製する技術開発が進められている。しかし、食糧難は回避できても温暖化ガスの排出量に変わりは無い。

■石油価格は今後どう動くか
 バイオエタノール精製時に原油を使用するため、原油需要は減退することは考えにくいと言える。しかし、今後それ以外の燃料、例えば太陽光発電やプラグインハイブリッドの普及が進めば、それにより原油需要は減退すると考えることが出来る。
 原油需要が減退すれば一時的に原油価格は下落するだろう。しかしそのことは産油国側としてみれば死活問題となりうるので、原油価格の維持を図るだろう。原油の価格はその需要と、貯油量+埋蔵量に左右されていると言っていい。埋蔵量は産油国にいる油層エンジニアが割り出している。しかし、これがファジーなもので「埋蔵量=期待値+操作値」という公式がある(*参照『石油の呪縛』著者ソニア・シャー)。埋蔵量は意外と簡単に情報操作出来てしまうため、原油価格の維持は可能だろう。

■「原油」対「再生可能エネルギー」
 原油産業は市場原理主義の上で成り立っているのに対して、再生可能エネルギーは政治的意向が含まれる。再生可能エネルギーの普及には環境税の導入や京都議定書のような国際条約の締結が欠かせない。そこには市場原理というものはコストの面から見ても今までは働いてはいなかった。
 しかし、トヨタが開発したハイブリッドカーは現在多く普及しており、トヨタのイメージ戦略はGMを抜いて世界一になった事実からも成功したと認めざるを得ない。トヨタはエコロジーと市場原理を近づけたことに成功したと言える。このことは産油国に大きなインパクトを与えたに違いない。燃費がいい自動車の普及は、産油国にとっては利益を減らすことになるからである。
 「原油」対「再生可能エネルギー」の勢力分布が少しずつ変化していることを示している。

■原油需要減退か?
 これらのことから、今後の原油需要が減退する可能性は十分にあると言える。しかしその一方で油層エンジニアによる情報操作が無いとは言い切れない。原油価格は需要不足が発生した時には、元の利益を捻出しようと価格高騰する可能性を潜めている。

posted by こうめい at 00:46| Comment(0) | TrackBack(1) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月26日

食肉偽装問題はなぜ生まれたか

 ミートホープ社による食肉偽装問題が大きく取り上げられている。なぜここまで大きな問題になったのだろうか?そもそも食の安全面から言えば今回の偽装の問題点は少ない。確かに豚肉、鶏肉アレルギーなどの面からすれば安全ではないと言えるかもしれないが問題の本質は混ぜたところには無い。ミートホープ社の社長曰く「混ぜたほうが美味しい。」そうだが、確かにその様な加工を施したほうが美味しくなる可能性はある。
 ワタシの以前の飲食店勤め先では、「結着肉」などはよく扱っていた。この「結着肉」とはくず肉を脂で結合させ大きくしたもので安全面は全く問題ない、と言うのが恥ずかしながら当時の私の認識。もちろん商品の表記にも「結着肉」と書いてあり、お客さんに聞かれたときも上記のような説明をしていた。つまり、安全面に対する認識が甘かった、もしくは無かったと言える。「結着肉」は内部が微生物に汚染されている可能性があり、それゆえ牛肉なのにしっかり焼く必要がある。
 問題は危険性の認識、知識だと考える。それさえあればミートホープ社も肉を混ぜたことを表記し、アレルギー表記もしたはずだ。コストダウンのため、一企業が生き残るために消費者が被害を受ける典型的なケースではないか。不二家も雪印もこのケースと同様であると言える。
 だが、もっと根源的な問題は市場原理主義にあると常々考えている。競争原理が社会活動で働いている限り、多くの秩序を生み出す限り、このような無秩序はなくなる事は無い。市場原理主義の対称関係にあるリベラル派や社会自由主義が原理主義化しても社会的には多くの弊害が起こると思うが、もう少し今の競争原理から目を離してはどうか。エントロピーの増大法則をもっと深く認識する必要がある。
posted by こうめい at 15:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 食の問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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